ブリーチバスとは、次亜塩素酸ナトリウム(市販の洗濯用のブリーチ(漂白剤))を入れたお風呂に入る治療法です。次亜塩素酸ナトリウムは、多くの細菌に対して殺菌作用を示します。そのため、ブリーチバスは、アトピー性皮膚炎や湿疹などの皮膚疾患の治療に用いられます。
ブリーチバスは、アメリカを中心に海外では古くから使用されており、アメリカ、イギリス等の主要先進国を含む海外のアトピー治療ガイドラインに掲載されています。しかし、日本では馴染みがなく、皮膚科医であっても知らない医師も少なくありません。
そこで、本記事では、ブリーチバスの基本的な情報から、効果や副作用、注意点まで、わかりやすくまとめました。アトピー性皮膚炎や湿疹に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
1. ブリーチバスとは
ブリーチバスとは、次亜塩素酸ナトリウムを入れたお風呂に入る治療法です。次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系漂白剤の成分で、強い殺菌力があり、新型コロナの消毒用としても用いられています。
ブリーチバスは、アトピー性皮膚炎や湿疹などの皮膚疾患の治療に用いられます。これらの皮膚疾患は、皮膚バリア機能の低下により、黄色ブドウ球菌などの細菌やアレルゲンが侵入しやすくなっています。ブリーチバスは、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力によって、皮膚の細菌やアレルゲンを除去し、皮膚の炎症を抑える効果が期待できます。
2. ブリーチバスの原理
ブリーチバスの原理は、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力によるものです。次亜塩素酸ナトリウムは、細菌の細胞膜を攻撃して、細胞を破壊します。また、アレルゲン物質を分解して、アレルギー反応を抑える効果も期待できます。
3. ブリーチバスの効果
ブリーチバスの効果は、以下の2つが挙げられます。
・皮膚の細菌やアレルゲンを除去する
・皮膚の炎症を抑える
ブリーチバスは、これらの効果により、アトピー性皮膚炎や湿疹の症状を改善する可能性があります。
4. ブリーチバスの副作用
ブリーチバスの副作用は、以下の2つが挙げられます。
・肌の乾燥
・皮膚の炎症の悪化
ブリーチバスは、次亜塩素酸ナトリウムによる刺激により、人によっては肌の乾燥や炎症の悪化を引き起こす可能性があります。濃度が高いほど消毒力は強まりますが、副作用のリスクが高くなります。
5. ブリーチバスの注意点
ブリーチバスを行う際には、以下の点に注意しましょう。
・希釈液の濃度を守る
・入浴時間を守る
・入浴後は保湿をする
・目に入らないようにする
・換気扇を回す等してよく換気する
希釈液の濃度が濃すぎると、肌への刺激が強くなり、皮膚の乾燥や炎症の悪化につながります。また、入浴時間は長すぎると、肌の乾燥をさらに悪化させてしまう可能性があります。入浴後は、保湿剤を塗って、肌の乾燥を防ぎましょう。
次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性なので目に入らないよう注意して下さい。換気が十分でないと目がチリチリ痛みだす可能性があります。目に異常を感じたらこすらずすぐに流水で15分以上洗い流し、眼科医に相談して下さい。ブリーチの濃度を高くしている場合は特に注意が必要です。
6. ブリーチバスの実施方法
ブリーチバスのやり方は、以下のとおり簡単です。
1. 浴槽にお湯を張る
2. 浴槽のお湯にブリーチを入れてよく混ぜる。お湯の量の1000分の1が目安(お湯が200リットルならブリーチを200ミリリットル)
3. 入浴時間は5から10分程度に留める
4. 入浴後は、シャワーで洗い流し保湿剤を塗る
ブリーチバスは、1週間に2~3回程度行うのが一般的です。症状が酷い場合は毎日行うこともあります。
濃度について補足説明します。
ブリーチは通常5から6%程度の次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。
ブリーチは通常5から6%程度の次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。
新型コロナの消毒用として次亜塩素酸ナトリウムが使われていますが、あの濃度は0.05%程度であり、水とブリーチを100:1で混合します。(水500ミリリットル:ブリーチ5ミリリットル)。
ブリーチバスではその10分の1の濃度0.005%程度であり、水とブリーチを1000:1で混合します。(水5000ミリリットル:ブリーチ5ミリリットル)。ブリーチバスはプールのような塩素の匂いがします。
参考情報:
プールの次亜塩素酸ナトリウムの濃度は0.0001%程度であり、ブリーチバスよりさらに50分の1の薄さです。水とブリーチを50000:1で混合します。(水50000ミリリットル:ブリーチ1ミリリットル)。
プールの次亜塩素酸ナトリウムの濃度は0.0001%程度であり、ブリーチバスよりさらに50分の1の薄さです。水とブリーチを50000:1で混合します。(水50000ミリリットル:ブリーチ1ミリリットル)。
つまり、ブリーチバスは新型コロナ消毒用より濃度が低く(10分の1)、プールより濃度が高いです(50倍)。
(このどちらでも皮膚に異常がなかった人なら特に副作用は気にしなくてよいと思いますが、ここについては筆者の経験や知見に基づく推論であり、医学的な研究論文等に基づく情報ではないので自己責任でお願いします。)
(このどちらでも皮膚に異常がなかった人なら特に副作用は気にしなくてよいと思いますが、ここについては筆者の経験や知見に基づく推論であり、医学的な研究論文等に基づく情報ではないので自己責任でお願いします。)
ブリーチはキッチン用ではなく洗濯用のブリーチ(漂白剤)が推奨されます。キッチン用には界面活性剤が入っており不適切です。
洗濯用のブリーチ(漂白剤)の成分は次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤) です。
ドラッグストアやダイソー等にも売っています(以下の画像など)。
洗濯用のブリーチ(漂白剤)の成分は次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)、水酸化ナトリウム(アルカリ剤) です。
ドラッグストアやダイソー等にも売っています(以下の画像など)。
バスタブのお湯は150-200L程度が多いようです。
7. ブリーチバスのまとめ
ブリーチバスは、アトピー性皮膚炎や湿疹などの皮膚疾患の治療に用いられる治療法です。次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力により、皮膚の細菌やアレルゲンを除去し、皮膚の炎症を抑える効果が期待できます。
しかし、ブリーチバスには、人によっては肌の乾燥や炎症の悪化などの副作用もあります。希釈液の濃度を守り、入浴時間は短くするなど、注意して行いましょう。
8. 私の体験談と感想
殺菌が本質の治療法なので、バイ菌によりアトピーが増悪しているタイプの人なら改善が期待できると思います。
ブリーチは安いのでコスパのよい治療法です。1回数十円程度ですし、ダイソーで100円で買えるので試しやすいです。
私自身は普段からリンデロンVGを使っており、これには抗菌薬ゲンタマイシン(アミノグリコシド系抗生物質)が含まれているのでバイ菌の問題は気にしていなかったのですが、治りが悪いことが多く悩んでいました。
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